【レネゲード・トレイルホーク 初高速インプレッション】 |
自分なりの初期慣らし及び1ヶ月点検が完了したため、納車後初めて高速道路を走ってみた。走行距離を重ねると印象が変わったり、機能に対する誤解が改められたりということも充分考えられるが、ファーストインプレッションを記録に残しておきたい。
走行ルートは、圏央道と東北道。
過不足ないとも言えるが、エンジン回転の上昇ほど加速していないというか、想像していたよりも加速感がないというのが率直な第一印象。前車メガーヌはノーマルグレードとはいえ充分以上の加速力があったので、どうしても物足りなさを感じてしまうのかもしれない。ただ、まだまだエンジンが本領を発揮する段階でもないし、このあたりの印象は走行距離を重ねるにつれ変わってくる部分ではないかと思う。
次に本線に乗ってから。
高いアイポイントがもたらす先々まで見通せる視界はやはり走りやすい。左右斜め後方の死角もそれほど気にならず、車線変更はやり易いなと思ったほど。レーンチェンジ時の挙動も安定している。街乗り同様、とにかく走りやすい印象が残った。
一旦スピードが乗ってからの加速感もあまり感じられなかった。決して遅い訳ではなく、ある程度追い越し車線の流れをリードする力はあるが、そんな走りをしていると極端に燃費が悪化する。おそらく、この加速感を感じない印象は、ATのセッティングと車重そのものにあると思う。9速ATは高速域でもとにかく高いギヤを選択する傾向があり、噂通りキックダウンしたがらない性質のようで、高いギヤからそのまま加速体勢に移ろうとしても、思い描いた加速が得られないという傾向が顕著だった。マニュアルモードも多用してみたが、そもそも9速から8速にシフトダウンしたところで加速は見られず、路面の勾配次第ではあるが大体6速ぐらいまで落とさないと加速を得られないような印象だった。また高速を走ってみて感じたことは「重いなぁ」というイメージ。勿論その車重が落ち着きのある挙動や乗り心地に奏功しているであろうからマイナス面ばかりではないが、クルマの重さを意識する場面が多い初高速走行であった。
他に気になったのは、減速。
ATをマニュアルモードでシフトダウンしてもエンジンブレーキが効かないという場面に何度も遭遇した。しかも、9⇒8⇒7とシフトダウンしていった際、7速で明らかに加速し、意図とは真逆の挙動にちょっと驚いた。
なかなか癖のあるATだなという思いが強くなったが、クルマ、ATの特性をよく理解し今後自分なりに乗りこなしていけるようになれば良いことなので、何ら問題とは考えていない。そもそもこんな多段のATは初めてだし。FFのDCTに比べて癖がなくて面白みに欠けるかなと思っていたぐらいなので、逆に輸入車らしさを発見出来て嬉しい気持ちさえある(変態?)。
また、自分にとってレネゲード・トレイルホーク最大のウィークポイントと捉えているフロントシートは、高速走行になっても悪印象は変わらなかった。同乗の嫁は1時間乗っただけでお尻が痛くなるといい、メガーヌでは後席に乗っていることが多かった彼女だが、ハンデのあるはずのその後席では1時間程度で痛くなるようなことは全くなかったと言っている。ルノーのシートに慣れた身には、このシートはかなり辛い現状。何とか慣れていきたいが…。
更に気になったのは車線逸脱警報機能。ワザと車線を外してみると、想像以上にスルッと舵を戻す動きをしてくるのでビックリ。どうやらこの機能を誤解していたようで、ステアリングそのものに振動を与えてドライバーに警鐘を鳴らすだけと思っていたが違うようだ。かなり明確に直進方向にステアリングが戻されるので、もし慌てて逆に切り返すようなことをすると危険で本末転倒。スピードが出ている領域では尚更効果が強く出るのだと思うが、この点トレイルホークオーナーの方は頭の片隅に置いておくべきかも。(余計なお世話かもしれないが)
最後に燃費。
オンボードの計測が安定している段階ではないかもしれないので参考値ではあるが、1日340.6km走行した内約8割の270.2kmが高速道路を走行した状況で、12.3km/1L という結果であった。給油も行い満タン法でも計算してみたが、こちらの結果は11.8km/1L であった。テスト的にアクセルを踏んだり、低いギヤを選択してみたりしていたし、特に燃費を稼ぐことを意識しない走り方で、且つ帰りの東北道で事故渋滞に巻き込まれたことを考慮するとかなり良い燃費を記録してくれたと思う。高速で12km/1L程度走ってくれるのなら御の字。
色々書いているが、乗っていて楽しい、乗ることが楽しみになるようなクルマであることは間違いなく、これはこのクルマの高い資質の証明だと思う。なお、サービスエリア等での注目度は(発売後1年経った現在でも)抜群である。